Backlogの使い方 完全ガイド|国産PMツールの強みと全機能をPM視点で解説

Backlog(バックログ)の使い方をPM目線で完全解説。プロジェクト作成・課題管理(種別・カテゴリー・マイルストーン)・ガントチャート・Wiki・Git連携の全機能と、JiraやAsanaとの8軸比較表、料金プラン5段階、よくある失敗5選、FAQ付き。

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Backlogはヌーラボ株式会社が開発した国産プロジェクト管理ツールで、ガントチャート・課題管理・Wiki・Git/SVN連携を1つのツールに統合している点が最大の特徴です。 JiraやAsanaとは異なり、ウォーターフォール型とアジャイル型のどちらのプロジェクトでも対応でき、日本語UIとサポートが充実しているため、日本企業が初めてPMツールを導入する際の筆頭候補となっています。「ツールを入れたが使いこなせていない」「ガントチャートがどこにあるか分からない」という声も多いことから、本記事ではプロジェクト作成→課題管理(種別・カテゴリー・マイルストーン)→ガントチャート→Wiki→Git連携→バーンダウンチャートの全機能をPM視点で体系的に解説します。

Backlogとは何か|ヌーラボが開発した国産PMツール

Backlogはヌーラボ株式会社が開発・運営するプロジェクト管理SaaSです。長崎・東京を拠点とする日本企業が開発したため、日本企業の商習慣(ウォーターフォール型工程管理・稟議フロー・日本語サポート)に対応している点が海外製ツールとの最大の差別化要素です。

Backlogの特徴を一言で言えば「ガントチャート・課題管理・Wiki・Git/SVNリポジトリを1ツールで完結させる統合型PMプラットフォーム」です。JiraがアジャイルネイティブなツールであるのとはU設計思想が異なり、Backlogはウォーターフォール型プロジェクトの工程管理(ガントチャート)と、アジャイル型のスプリント管理(バーンダウンチャート・カンバンボード)の両方に対応しています。

Backlogの料金プラン(2026年8月現在)

公式料金ページに基づく料金の概要です。年間契約では2ヶ月分無料(10ヶ月分の金額で12ヶ月利用可能)になります。

プラン月額(税込・概算)ユーザー数プロジェクト数ガントチャート
Free¥010名まで5×
Starter約¥2,97030名まで5×
Standard約¥17,600無制限無制限
Premium約¥27,000無制限無制限
Platinum約¥75,000無制限無制限

BacklogとJiraの根本的な違い

Backlogはプロジェクト単位でメンバー・課題・Wiki・Gitリポジトリを一元管理する「場所の概念」が中心であるのに対し、Jiraはスプリント・エピック・ストーリーポイントなどアジャイル開発のワークフロー概念が中心です。

比較軸BacklogJira
主な対象日本企業・ウォーターフォール寄りグローバル・アジャイル開発中心
学習コスト低(直感的なUI)高(専門用語・設定が多い)
ガントチャートStandard以上で標準装備Premium以上(Roadmaps機能)
Wiki標準装備Confluence連携(別ライセンス)
Git連携内蔵リポジトリ+外部連携GitHub/Bitbucket連携が主流
価格(25名規模)約¥35,640/年約¥307,500/年(約8倍差)

プロジェクト作成 3ステップ

Backlogのプロジェクト作成は3つのステップで完了します。最初の設定が後の課題管理の分類粒度を決めるため、チームで合意してから進めましょう。

ステップ1:プロジェクトを新規作成する

トップ画面の「プロジェクトを追加する」から、プロジェクト名・プロジェクトキー(半角英数字、例:PM2026)・公開設定(公開・非公開)を設定します。プロジェクトキーはすべての課題番号のプレフィックスになります(例:PM2026-1、PM2026-2)。

ステップ2:メンバーを招待し権限を設定する

プロジェクト設定>メンバーから、メールアドレスを入力してメンバーを招待します。Backlogの権限は管理者・一般・ゲストの3段階です。

権限できること
管理者プロジェクト設定変更・メンバー追加・全操作
一般課題作成・更新・Wiki編集・ファイル添付
ゲスト課題閲覧・コメント投稿のみ

外部ベンダーや承認者にはゲスト権限で招待し、情報の意図しない編集を防ぐのが基本です。

ステップ3:種別・カテゴリー・マイルストーンを初期設定する

プロジェクト設定でBacklog独自の3分類軸を最初に設計します。この設定が後の課題管理の分類精度を左右します。詳細は次のセクションで解説します。


課題管理の基本|3軸(種別・カテゴリー・マイルストーン)の使い分け

Backlogヘルプセンターが定義するように、Backlogの課題管理は種別・カテゴリー・マイルストーンの3軸で整理します。この3軸を混同して設定すると、後から絞り込みが複雑になって管理が崩壊します。

3軸の設計思想

分類軸意味(何を表すか)設計例
種別課題の”タイプ”(何をするか)バグ・タスク・要望・調査・確認
カテゴリー課題の”担当領域”(どこの話か)フロントエンド・DB設計・テスト・インフラ
マイルストーン課題が”いつのリリース向けか”(どのタイミングか)v1.0リリース・v1.1・2026-Q4

課題の優先度と担当者のルール

  • 優先度:最高・高・中・低の4段階。「最高」は今週中に解決が必要なブロッカー、「高」は今のスプリント内、「中」は今月内、「低」は機会があれば対応、というルールをチームで最初に合意する
  • 担当者:必ず1人を明示する。「チーム全員」や未設定は誰も対応しないまま放置の温床になる

子課題で階層管理する

Backlogでは課題に「子課題」を追加できます。親課題(フェーズ相当)→子課題(タスク)の2階層構造で、WBSの作業分解をそのままBacklogで表現できます。WBSの作り方で分解した成果物をそのまま親課題に対応させる運用が効果的です。

[親課題] 要件定義フェーズ(マイルストーン:v0.1)
  └── [子課題] 業務フロー図作成(担当:田中、期限:8/10)
  └── [子課題] ユーザーヒアリング(担当:鈴木、期限:8/15)
  └── [子課題] 要件定義書ドラフト(担当:田中、期限:8/22)

ガントチャートの使い方|Backlogの最大の強み

ヌーラボのガントチャートアップデート(2026年1月)により、複数年プロジェクトへの対応とグルーピングUIの改善が行われ、より大規模なプロジェクトにも対応できるようになりました。

ガントチャートの表示方法

Standardプラン以上でプロジェクト画面の「ガントチャート」タブを開くと、開始日と期限が設定された課題が自動的にバーで表示されます。特別なデータ変換は不要で、課題に開始日と期限を入力するだけでガントチャートに自動反映されます。

ガントチャートの活用ポイント

  • 親課題でフェーズを管理:要件定義・設計・開発・テストの各フェーズを親課題にし、子課題を配下に置くとフェーズ単位で折りたたんで表示できる
  • マイルストーンをマーカーとして使用:リリース日やステコミ開催日をマイルストーンとして設定し、ガントチャート上の縦線(マーカー)として可視化
  • グルーピング表示:2026年1月のアップデートでカテゴリーやマイルストーン単位でグルーピング表示が可能になり、担当者別・フェーズ別の絞り込みがしやすくなった

ExcelやJiraとのガントチャート比較についてはガントチャートの作り方|Excel・JIRA・Backlog別の手順も参照してください。


Wikiで情報を一元管理する

BacklogのWikiはプロジェクト内でドキュメントを一元管理するための機能で、設計書・議事録・手順書・FAQ・用語集などをMarkdown形式で記述できます。Jiraのように別途Confluenceを契約する必要がなく、Backlogのプロジェクト画面から直接アクセスできます。

Wikiの基本操作

  1. プロジェクト画面の「Wiki」タブを開く
  2. 「ページを追加する」からMarkdown記法でページを作成
  3. ページにタイトルを付け、サイドバーのツリー構造で階層を整理

WikiのMarkdown記法(よく使う例)

## 開発環境構築手順

### 必要ソフトウェア
- Node.js v20.x
- Docker Desktop

### セットアップ手順
1. リポジトリをクローン: `git clone <リポジトリURL>`
2. 依存パッケージインストール: `npm install`
3. 環境変数ファイルを作成: `.env.example` をコピーして `.env` に変更

Wikiの運用ルール(推奨)

用途ページ命名例更新頻度
会議議事録議事録/2026-08-02_キックオフ会議のたびに追加
設計書設計/認証機能仕様変更のたびに更新
開発手順手順書/環境構築環境変更のたびに更新
FAQFAQ/よくある問い合わせ問い合わせが来たら随時追加

Git/SVN連携|開発チームとPMの情報共有

BacklogはGitリポジトリをBacklog内にホスティングできる機能を持っています。GitHub・GitLabとは異なり、Backlogの課題管理・Wiki・ガントチャートと同一画面でコード管理ができます。既存のGitHubリポジトリとのWebhook連携も可能です。

コミットと課題の紐付け

コミットメッセージに課題番号を記載するだけで、Backlog側の課題にコミットが自動リンクされます。

git commit -m "#PM2026-123 ログイン機能のバリデーション追加"

これにより、PMは「この課題はいつ・誰がどのコミットで対応したか」をBacklog上で確認でき、コードを読まなくても実装状況を把握できます。

プルリクエスト管理

Backlogのプルリクエスト画面では、差分コード・コメント・レビュワー指定・マージ操作がすべて行えます。課題とプルリクエストを紐付けることで、「課題のステータス変更」と「コードレビュー承認」を連動した運用も可能です。


バーンダウンチャートでスプリント進捗を把握する

バーンダウンチャートはスプリント期間中の課題消化状況を折れ線グラフで可視化する機能です。縦軸が「残課題数」、横軸が「時間軸」で、理想線(等速で減少する線)と実績線を比較します。

バーンダウンチャートの読み取り方

残課題数(件)
20 |●
18 |  ●(理想線)
16 |    ● ○(実績線が理想線を上回り始める)
14 |      ●   ○
12 |        ●    ○
10 |          ●      ○(スプリント後半で差が拡大=要注意)
 0 +----------------------------→ 時間(日)
  • 実績線が理想線より上にある:課題の消化が遅れている。スプリント中盤(5日目前後)で担当者の支援やスコープ調整を検討
  • 実績線が理想線より下にある:予定より早く進んでいる。次のスプリントへの繰り上げを検討

バーンダウンチャートを正しく機能させるためには、すべての課題に期限が設定されていることが前提です。期限未設定の課題が多いと、チャートが正しく描画されません。


Backlog vs Jira vs Asana 8軸比較表

BOXILITトレンドのデータも参照しながら、PM視点での8軸比較を整理します。

比較軸BacklogJiraAsana
主な対象日本企業・製造業・SIerアジャイル開発チームマーケ・クロスファンクション
学習コスト低(1〜2時間で基本操作習得)高(用語と設定に1〜2週間)中(直感的だが機能が多い)
ガントチャートStandard以上で標準装備Premium以上(Roadmaps)Premium以上の有料機能
Wiki標準装備(プロジェクト内)Confluence(別ライセンス)が必要なし(外部ドキュメントと連携)
Git連携内蔵リポジトリ+GitHub/GitLab連携GitHub/Bitbucket連携が主流限定的(Zapierなど経由)
日本語サポート充実(公式日本語ヘルプ・サポート)英語中心・日本語UIあり英語中心・日本語UI一部
価格(25名規模)約¥35,640/年約¥307,500/年(約8倍差)約¥240,000/年
向くプロジェクトウォーターフォール・SIer・製造業スクラム・ソフトウェア開発マーケ・デザイン・業務改善

Backlogのメリット・デメリット

メリット

  • ガントチャート・Wiki・Git/SVNが1ツールで完結し、外部サービスとの連携コストが不要
  • 日本語UIと公式日本語サポートが充実しており、非エンジニアのPMや文系メンバーでも使いやすい
  • ウォーターフォール(ガントチャート)とアジャイル(バーンダウン・カンバン)の両方に対応
  • Jiraと比べて大幅に安く、25名規模で年間約¥35,640から始められる(Jiraの約8分の1)
  • Gitリポジトリを内蔵しており、開発チームとPMが同一画面で情報共有できる

デメリット

  • ガントチャートはStandard以上(約¥17,600/月)が必要で、Starterでは使えない
  • エピック→ストーリー→タスクの多層アジャイル階層管理はJiraに比べて弱い
  • 複数チームをまたぐ長期ロードマップ計画(JiraのAdvanced Roadmaps相当)がない
  • カスタムワークフロー(ステータスの自由設計)はJiraに比べて制限がある
  • 英語ドキュメントの充実度はJiraより低く、グローバルチームでの採用には向かない

よくある失敗5選

❌ 失敗1:ガントチャートが使えないプランで契約した

FreeプランとStarterプランではガントチャートが使えません。「ガントチャートで管理したい」という要件があるにもかかわらず、コスト重視でStarterプランを選んでしまい、後からStandardへの移行を余儀なくされるケースがあります。30日間の無料トライアルで全機能(ガントチャート含む)を試してから契約プランを決めましょう。

❌ 失敗2:種別・カテゴリー・マイルストーンを混同した設定

「要件定義」「設計」「開発」を種別に設定してしまうと、フェーズと問題種別が混在して絞り込みが複雑になります。フェーズはマイルストーン(v0.1要件定義フェーズ、v0.2設計フェーズ)に設定し、種別はバグ・タスク・要望の性質分類に特化するのが正しい設計です。

❌ 失敗3:Wikiを深い階層にしすぎた

Wikiを「設計/機能A/詳細/v1/最終版」のように5階層以上にすると、どこに何があるか分からなくなります。Wiki階層は最大3階層までにとどめ、バージョン管理はBacklogが自動保存する更新履歴(差分)を利用しましょう。

❌ 失敗4:Gitリポジトリ機能を知らずGitHubと二重管理

BacklogのGitリポジトリ機能を知らずにGitHubを別途使い、課題はBacklog・コードはGitHubと二元管理になってしまうケースがあります。開発チームがGitHubに慣れている場合はGitHub WebhookでBacklogの課題と紐付けを設定し、新規プロジェクトならBacklog内蔵Gitリポジトリへの集約を検討しましょう。

❌ 失敗5:担当者を「チーム全員」や未設定にした

担当者を設定しないと「未割当」と表示され、誰も対応しないまま課題が放置されます。課題を作成する際に必ず担当者を1人指定するルールをチームで合意してください。定期的に「未割当」フィルターで課題一覧を確認し、放置課題を防ぐ運用も有効です。


FAQ

Q. Backlogは無料で使えますか?

はい。Freeプランは10ユーザー・5プロジェクト・1GBストレージで無料です。ただしガントチャートは使えません。また、すべての有料プランを30日間無料でお試しできるトライアルがあります。ガントチャートを含む全機能を試してからプランを決めることをお勧めします。

Q. JiraからBacklogへの移行は簡単ですか?

Jiraの課題データはCSVエクスポートができるため、Backlogへのインポートは可能です。ただし、エピック・ストーリーポイントなどJira固有の概念はBacklogの種別・カテゴリーへのマッピングが必要です。特にJiraのスプリント管理→BacklogのマイルストーンへのマッピングはPMが手動で設計する必要があります。JiraとBacklogの使い分けについてはJiraの使い方 完全ガイドも参照してください。

Q. BacklogのガントチャートにはExcelのような依存関係(矢印線)は引けますか?

課題間の依存関係(前後関係)を矢印線で表示する機能は2026年8月時点では標準提供されていません。依存関係を管理したい場合は、課題の「関連する課題」機能で紐付けを設定し、担当者・期限の組み合わせでガントチャート上の前後関係を確認する運用が現実的です。

Q. BacklogのGitリポジトリはプライベートですか?

はい。Backlogのプロジェクトは非公開設定にでき、Gitリポジトリも招待されたメンバーのみアクセス可能です。有料プランであればSSH接続も利用できます。

Q. BacklogはスクラムやアジャイルPMに使えますか?

スクラムのカンバンボード(課題をステータスで管理するボード)とバーンダウンチャートはBacklogにも備わっています。ただし、エピック・ストーリーポイント・スプリントバックログなどJiraが標準装備するスクラム専用機能は、Backlogでは手動運用が必要です。スクラムを厳密に回すならJiraの使い方、ウォーターフォール寄りまたはシンプルなカンバン運用にはBacklogが向いています。スクラムの基礎についてはスクラムの5つのイベント完全解説も参照してください。


まとめ

Backlogは「ガントチャート・課題管理・Wiki・Git/SVNを1ツールで完結させ、日本語環境でストレスなく使える国産PMツール」です。Jiraのようにアジャイルネイティブではありませんが、ウォーターフォールとアジャイルを混在させた日本のプロジェクト現場に最も実用的にフィットするツールの一つです。

  • ガントチャートが必要ならはじめからStandard以上を選ぶ(Starterでは使えない)
  • 課題管理の3軸(種別=タイプ・カテゴリー=領域・マイルストーン=時間軸)を最初に設計する
  • Wikiは3階層以内でシンプルに保つ
  • コミットと課題を紐付けるルールを開発チームと最初に合意する

他ツールとの使い分けについてはJiraの使い方 完全ガイドガントチャートの作り方もあわせてご覧ください。WBSと課題の粒度設計についてはWBSの作り方 完全ガイド、スプリント運用の基礎はスクラムの5つのイベント完全解説も参照してください。

出典・参考情報

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