PMP スケジュール管理 完全対策|CPM・PERT・短縮技法の出題傾向
PMP® 試験のスケジュール・マネジメント(6 プロセス)を 1 本で対策。アクティビティ定義・順序設定・所要期間見積り・スケジュール作成・コントロールを解説し、頻出のクリティカルパス法(CPM)のフロート計算、PERT 三点見積り(O+4M+P)/6 の公式、クラッシング vs ファストトラッキングの違いまで、試験での問われ方つきで整理します。
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「PMP® のスケジュール管理は、CPM のフロート計算や PERT の公式が絡んで一番ややこしい」——本記事はその苦手意識を 1 本で解消します。結論から言えば、スケジュール・マネジメントは 「作業を洗い出し → 順番をつなぎ → 期間を見積もり → 1 本の時間軸に組み上げ → 守る」 という一直線の流れです。この骨格に、試験頻出の計算技法(CPM・PERT)と短縮技法(クラッシング・ファストトラッキング)を肉付けすれば、得点源に変わります。
本記事では スケジュール・マネジメントの 6 プロセスを順に解説し、計算問題で問われる CPM・PERT・短縮技法のポイント を整理します。1 つ前の領域は「PMP スコープ管理 完全対策」、10 領域全体の地図は「PMP 試験 10 のナレッジエリア 完全解説」、時間軸である 5 プロセス群は「PMP 試験 5 つのプロセス群 完全解説」、受験資格や学習計画は柱記事「PMP® 試験完全ガイド」をご覧ください。
スケジュール・マネジメントとは|「作業を時間軸に並べて守る」
スケジュール・マネジメントは、プロジェクトの作業を いつ・どの順番で・どれだけの期間で行うか を計画し、その計画どおりに進むよう統制する領域です。スコープ管理で確定した WBS のワークパッケージを、さらに アクティビティ(作業) に分解するところから始まります。
スケジュール・マネジメントの 6 プロセス|全体像
PMBOK® 第 6 版では、スケジュール・マネジメントは 6 つのプロセスで構成されます。最後の「コントロール」以外はすべて 計画プロセス群 に属します。
| # | プロセス | プロセス群 | 一言でいう役割 |
|---|---|---|---|
| 1 | スケジュール・マネジメントの計画 | 計画 | スケジュールの作り方・守り方のルールを決める |
| 2 | アクティビティの定義 | 計画 | ワークパッケージを作業(アクティビティ)に分解 |
| 3 | アクティビティの順序設定 | 計画 | 作業同士の依存関係をつなぐ |
| 4 | アクティビティ所要期間の見積り | 計画 | 各作業に必要な期間を見積もる |
| 5 | スケジュールの作成 | 計画 | 1 本の時間軸(スケジュール)に統合する |
| 6 | スケジュールのコントロール | 監視・コントロール | 計画とのズレを監視し是正する |
💡 第 6 版では「アクティビティ資源の見積り」は 資源マネジメント に移動しました。スケジュール領域のプロセスは 6 つ、と覚えておきましょう。
2. アクティビティの順序設定|依存関係を「PDM」でつなぐ
作業を洗い出したら、次は順番をつなぎます。代表的な手法が プレシデンス・ダイアグラム法(PDM) で、作業間の依存関係を 4 種類で表します。
| 依存関係 | 略号 | 意味 |
|---|---|---|
| 終了-開始 | FS | 前作業が終わったら後作業を開始(最も一般的) |
| 終了-終了 | FF | 前作業が終わったら後作業も終了 |
| 開始-開始 | SS | 前作業が始まったら後作業も開始 |
| 開始-終了 | SF | 前作業が始まったら後作業を終了(最も稀) |
4. アクティビティ所要期間の見積り|PERT 三点見積りが頻出
各作業の期間を見積もるプロセスです。類推見積り・パラメトリック見積りなど複数の技法がありますが、試験で計算が問われるのは 三点見積り(PERT) です。1 つの値ではなく、楽観値・最頻値・悲観値の 3 つから期待値を算出します。
正規分布として扱うと、±1σ で約 68%、±2σ で約 95%、±3σ で約 99.7% の確率に収まります。「95% の確率で何日以内か」を問う応用問題では、te に 2σ を足して答えるパターンが定番です。
5. スケジュールの作成|クリティカルパス法(CPM)で最短期間を出す
見積もった作業をネットワーク図に並べ、プロジェクトの最短完了期間と余裕を求める中心技法が クリティカルパス法(CPM) です。所要期間が最長の経路(=クリティカルパス)が、プロジェクト全体の期間を決めます。
フォワードパスとバックワードパス
| 計算 | 方向 | 求めるもの |
|---|---|---|
| フォワードパス | 先頭→末尾 | 最早開始 ES/最早終了 EF |
| バックワードパス | 末尾→先頭 | 最遅開始 LS/最遅終了 LF |
この 4 値が出れば、各作業の余裕時間(フロート)が計算できます。
💡 「最長経路なのに最短期間」という言い回しが混乱の元。クリティカルパス=経路の中で 最も長い 経路だが、それがプロジェクトを終えられる 最短の期間 を意味します。
6. スケジュールのコントロール|遅れたら「短縮技法」で取り戻す
スケジュールのコントロールでは、計画と実績のズレを監視し、遅延があれば是正します。納期を動かさずに期間を縮める代表技法が クラッシング と ファストトラッキング です。ここは違いを問う問題が頻出します。
| 技法 | やること | 代償・リスク |
|---|---|---|
| クラッシング | クリティカルパス上の作業に人員・資金を追加投入 | コストが増加する |
| ファストトラッキング | 本来順番に行う作業を一部 並行して実施 | 手戻り・リスクが増加する |
つまずきやすいポイント整理|よくある誤解 vs 正しい理解
| よくある誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| クリティカルパス=最短の経路 | 所要期間が 最長の経路(だから全体の最短期間を決める) |
| クリティカルパス上にも余裕がある | TF = 0。余裕はゼロ |
| PERT 期待値は単純平均(O+M+P)/3 | 加重平均 (O+4M+P)/6。最頻値に 4 の重み |
| クラッシング=作業を並行する | 並行は ファストトラッキング。クラッシングは資源追加 |
| 資源の見積りはスケジュール領域 | 第 6 版では 資源マネジメントに移動済み |
スケジュールを正しく管理するメリット
- クリティカルパスが見えて、遅らせてはいけない作業が明確になる
- フロートを把握でき、余裕のある作業から資源を融通できる
- 三点見積りで不確実性を数値化し、納期の根拠を示せる
- 遅延時にクラッシング/ファストトラッキングを論理的に選べる
管理を怠ったときのリスク
- クリティカルパスを見失い、重要でない作業に注力してしまう
- 単一見積りで楽観バイアスがかかり、納期が崩れる
- 短縮技法を闇雲に使い、コスト超過や手戻りを招く
- 進捗指標(SPI)を見ず、遅延の発見が遅れる
まとめ|スケジュール管理は「経路を見極めて、計算で守る」
PMP® のスケジュール・マネジメントは、①ルールを決め → ②作業に分解し → ③依存関係でつなぎ → ④期間を見積もり → ⑤ CPM で組み上げ → ⑥短縮技法で守る という 6 ステップの一本道です。試験では「トータルフロート=LS−ES」「PERT 期待値=(O+4M+P)/6」「クラッシング(コスト増)vs ファストトラッキング(リスク増)」が繰り返し問われます。本記事を「スケジュール領域の地図」として手元に置き、次はコスト管理(EVM)や他領域へ進みましょう。
注釈:
- PMP®、PMI®、PMBOK® は Project Management Institute, Inc. の登録商標です
- 本記事のプロセス構成・用語は PMBOK® 第 6 版に基づく執筆時点(2026 年 6 月)の整理です。最新の試験範囲(ECO)は必ず PMI 公式サイトでご確認ください